こんなぐにゃぐにゃなMIDIキーボード、見たことありますか?

鍵盤がシリコン素材でできていて、押すとぐにゃっと沈む。横にスライドさせると音程が滑らかに変化して、押し込む力を変えると音色が変わる。 普通のキーボードのように「押す・離す」の2択ではなく、指の動き方そのものが音の表情になる楽器が存在するんです。
ROLIというイギリスのメーカーが作っている「Seaboard」という楽器で、2010年代中盤に登場した時は「鍵盤楽器の概念が変わるかもしれない」と世界中で話題になった。
そのSeaboardが2026年5月21日、ヤマハミュージックジャパンから正式発売されます!
これが個人的にすごく嬉しいです!僕は2017年からSeaboard Blockを使っていて、ずっとフルサイズの「Seaboard 2」が欲しかった。でも日本では正規販売されていなくて、eBayで中古を探したり海外の通販サイトをあれこれ調べたりしながら、指をくわえて見ていたんです。指を!それがヤマハから買えるようになったってね!
▼こんな方にどうぞ
- ぐにゃぐにゃキーボードが気になっていた
- Seaboard 2と旧モデルの違いを知りたい
- 実際に使った感想が聞きたい
何が普通のキーボードと違うのか

Seaboardには「5D Touch」と呼ばれる5つの演奏情報がある。(難しければ読み飛ばして)
- Strike:鍵盤を叩く強さ(ベロシティ)
- Press:鍵盤を押し込み続ける力(アフタータッチ)
- Glide:指を左右に動かす(ピッチベンド)
- Slide:指を前後に動かす(音色変化など)
- Lift:指を離す速さ(リリースベロシティ)
普通のキーボードはStrikeしか使えないんだけど、Seaboardはこの5つが同時に使えるんです。しかも1本1本の指が独立してMPE(指ごとにビブラートや音色を変えられる規格)情報を送れるってこと。つまり右手の指2本だけビブラート!とかができる。
文字では伝わりにくいのでこちらどうぞ!(2秒くらいからROLI弾いています〜!)
2017年から使ってみた率直な感想

僕が持っているのはSeaboard Block(2017年モデル)。今回発売されるSeaboard Mの前の世代のミニサイズモデルです。

使ってみて一番良かったのはフルートやシンセなど持続音が長い音源との相性。 音が鳴り続けている間に指でビブラートをかける感覚は、ギターみたいで楽しいです。
ただ鍵盤の精度の問題でうまく使いこなせていないのが現実。 押し込む力が音量に直結するので、意図せず音が急に大きくなってしまうことが多かった。YouTubeでジミ・ヘンドリックスの曲を完璧に弾いている人の動画があるんだけど、これは…なかなか難しいよね。この音源も付いてこないし。
「ピアノの代わりに買ったら全然弾けなかった」という話を2010年代によく聞いたのは、そのギャップが原因だと思うんです。しかし、今回発売する新しいバージョンは鍵盤の質もあがっているっぽいです。
あとピアノとは全く別の楽器だとすれば、ピアノが得意じゃない人も達人になれるんじゃないかという夢もあるよね!
30万円するOsmoseと比べるとどう違うのか
同じ「表情豊かな鍵盤」という方向性で、Expressive EのOsmos という商品もあります。実は…持っています。同じようなぐにゃキーボードだけど、音源が内蔵されていているのが特徴。お値段は30万円くらいする。

まず前提として、OsmoseもSeaboardも普通のMIDIキーボードより表情豊かに演奏できる楽器という点は共通している。でも弾き心地は全然違う。
Osmoseは鍵盤の形が普通のピアノと同じ。 弾き方もほぼピアノと同じで、その上で鍵盤を押し込むとビブラートがかかる。「ピアノが弾ける人がそのまま使える表現系キーボード」という感じ。
●11秒動画(音が出ます)
Osmoseは音源入り+しっかりしたキーボードなので大きくて重いんだよね。。Seaboardはシリコンのぐにゃぐにゃ鍵盤で薄いのが大きな違いだね。
●Seaboardを膝に乗っけているのがかっこいい

2021年に一度撤退!でも欲しくてずっと探していました
ROLIは2021年に経営破綻して、日本での取り扱いもなくなった。
その後、最近Seaboard 2が欲しくなったんだけど、日本では正規販売されないまま時間が経ちました。もう何度も何度もeBayで中古を探したり、海外の通販サイトをあれこれ調べたりしていたんだけど、海外からは書いづらいよね。初期不良が出た時に海外対応は大変だし、修理も保証もない状態で20万円超えの買い物はリスクが高い。
そんなタイミングでヤマハが動いてくれてびっくり!保証付き・国内サポートありで買えるのはありがたいと思います。
今回発売される5製品
5月21日から発売されるのは以下の5製品。ぐにゃぐにゃ鍵盤のSeaboardシリーズはSeaboard 2(49鍵)とSeaboard M(24鍵)の2種類が同時発売。
| 製品 | 価格(税込) | 狙い目 |
|---|---|---|
| Seaboard 2(49鍵) | 249,700円 | 楽器として本格的に習得したい人 |
| Seaboard M(24鍵) | 66,000円 | 制作のスパイスや持ち運び重視の人 |
| Piano | 108,900円 | |
| Piano M | 49,500円 | |
| Airwave | 69,300円 |
Seaboard Mは僕が持っているSeaboard Blockの後継モデル。見た目はほぼ同じで、MIDIアウトの追加とタッチ精度の改善が主な変化とのこと。
Seaboard 2はさらに上位モデルで、新しい鍵盤面(Keywave2)に溝が追加されたのが一番大きな改良らしい。 旧モデルを使っていて一番困ったのが「指がどこにあるか分からなくなる」問題で、波型のシリコンだけでは指の位置が感じ取りにくかった。その波の中央にさらに溝が入ることで、手触りで音程の位置が分かるようになったとのこと。海外レビューでは「鍵盤から目を離しても弾ける」という評価が多かった。スライドやベンドはそのまま使えるとのことで、ぐにゃぐにゃ感は損なわれていないみたいです。
楽しみ!
Airwaveは空中で音を操作するデバイス

あと、これも発売する!
Airwave(69,300円) は赤外線カメラで手の動きを検知して、ジェスチャーをMIDI情報に変換するデバイス。Seaboard 2と組み合わせると、鍵盤を弾きながら空中の手の動きでエフェクトや音量をコントロールできるとのこと。ヤマハのシンセサイザー「MONTAGE M」「MODX M」との連携も実装済みらしい。
実はAirwaveの情報解禁の時、ROLIがYouTubeでカウントダウンをやっていて見ていたんです。「どんな革新的な製品が出るんだろう」と思っていたら、空中で手を動かすやつだった。なんだかんだで面白いし、ステージ映えしそうな楽器ではあるよね。うーん、買ってみたい気持ちもある。テルミンっぽくて楽しそう。
Osmoseにするか、Seaboardにするか
最後に、どちらを買うべきかを一言でまとめると。
ピアノの延長線上で表現力を上げたいならOsmose、全く新しい「触感」という楽器体験を求めるならSeaboard。 どちらも「普通のキーボードでは出せない表現」を目指した楽器だけど、アプローチが全然違うんです。両方持っていて言えるのは、Seaboardは難しいけど、それを超えた先に他にはない表現があるんじゃないかという期待が未だにある。そういう楽器だと思うんです。
販売店はヤマハ銀座店・横浜みなとみらい・名古屋・大阪なんば・Yamaha Sound Crossing Shibuya(展示のみ)とヤマハ特約店で、今後拡大予定とのこと。
質問コーナー
Q. Seaboard 2は単体で音が出るの?
A. 出ません。MIDIコントローラーなので、パソコンやDAWと接続して使う楽器です。ただし付属の「Equator2」という音源ソフト(単体で約3.5万円相当)が無料でついてくるので、すぐに演奏できる環境は整っています。
あと、スマホやiPadのアプリもあってそこから鳴らすこともできます。音源の種類はEquator2の方が多い。
Q. ピアノが弾けない人でも使えますか?
A. 使えます。ただ「ピアノの代わり」にはならない楽器なので、ゼロから「Seaboardという新しい楽器」として習得する気持ちで始めるのがいいと思います。習得したいよね。
Q. Logic ProやAbletonで使えますか?
A. Ableton Live 11以降はMPEに標準対応していて、接続すればそのまま使えます。LogicもMPE対応しているので問題なく使えるとのこと。
Q. Bluetooth接続できますか?
A. できます。バッテリーも内蔵していて最大8時間使えるとのこと。
僕の持っていた古いモデルでさえも遅延無しで使えた!不思議!もちろんUSB-Cの有線でも。
Q. Seaboard 2とSeaboard M、どちらを買うべき?
A. まず試してみたい・持ち運びたいならSeaboard M(24鍵)がいいと思います。動画撮影とかするときにも小さい方が画角に収まりやすい。
Q. ROLIって倒産したんじゃないの?大丈夫?
A. 2021年に経営破綻しましたが、2022年に再編して復活しています。今回はヤマハが国内の販売・サポートを担うので、修理や保証面でも安心して購入できると思います。
Q. シリコンの鍵盤面は汚れたり劣化しない?
A. 公式にはリントローラーや無香料のウェットティッシュでの定期的な清掃を推奨しています。鋭利なものやペットの爪に注意が必要とのこと。
Q. 買う? A.うん、どれを買うかは迷っている。10万人の犬チャンネルと4000人のガジェットチャンネルあるけど、どこで出すのかは考えたい。
